F2遅報

F2遅報 'Road to F1'

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フォーミュラシリーズの概要と各車両のスペックのまとめ

F3以上のフォーミュラ・オープンホイールの超簡易諸元

Series weight(kg) power(ps) w/p chassis spec engine engine components
F1 752 1000+ 0.75 - - 1.6L V6 single hybrid turbo
Indycar (road) 767 750 1.02 Dallara DW12 - 2.2L V6 twin turbo
Super Formula 660 550 1.2 Dallara SF19 - 2.0L I4 single turbo
FIA F2 785 640 1.23 Dallara F2 2018 Mecachrome V634 3.6L V6 single turbo
Indy Lights 635 450 1.41 Dallara IL-15 Mazda AER P63 2.0L I4 single turbo
FIA F3 673 380 1.76 Dallara F3 2019 Mecachrome V634 3.6L V6
Indy pro 2000 575 270 2.13 Tatuus AP-T016 Mazda MZR-PM18A 2.0L I4
BRDC British F3 500? 230 2.17 Tatuus BF3-020 Cosworth Duratech 2.0L I4
Super FormulaFormula Lights 585 220 2.66 Dallara 320 - 2.0L I4
Euro Formula Open 585 220-280 2.66-2.09 Dallara 320 - 2.0L I4
Formula Regional European Championship 650 270 2.41 Tatuus T-318 Renault F4Rt 1.8L I4
Formula Regional Americans Championship 650 270 2.41 Ligier Crawford JS F3 Honda K20C1 2.0L I4
Formula Regional Japanese Championship 670 270 2.48 Dome F111/3 ATM AR-F3R 1.75L I4 single turbo
W series 650 270 2.41 Tatuus T-318 ATM AR-F3R 1.75L I4 single turbo

各シリーズの概要

各シリーズの主要開催地はヨーロッパ・北米・日本の3地域。F3アジアやFormula Renault Asiacupはその他の地域で開催される。FIAは主にヨーロッパを牛耳り世界各地に影響力を有する。北米はIndycarが主流。日本はSuper Formulaというよりはホンダとトヨタの活動がメイン。

 

ヨーロッパ(FIA

F1を頂点とするシリーズが多数。どのシリーズも同一ティアで世界最大規模であり、とにかくお金がかかる。FIA謹製シリーズの他Formula RenaultがF1未満のシリーズとして盛んだったが、F1ピラミッドを整理したいFIAの思惑から近年ではジュニアシリーズの統廃合が敢行されほぼ一本化された。

 

【F1】FIA Formula One World Championship

今やスペックシャーシを使わない唯一の選手権。現代では旧来の大会とは比べ物にならないほどの大金が流入するようになり、技術の発達スピードが恐ろしく開発費が高騰。シャシーやエンジン、その他諸々の規制を設けるものの根本的なコストの削減には至らなかった。2021年より大規模なコスト制限が初導入される。

F1シートを得るにはF2で上位に食い込む事が最低条件となる。20席しかなくドライバー市場は常に供給過多。超人級の運と実力と資金が必要。

 

FIA F2】 FIA Formula 2 Championship

F1直下のカテゴリー。最重量のマシンと18インチのタイヤをF1に先んじて導入。スペックエンジンは壊れやすいというよりは複雑すぎて正しく扱う事が出来ずに壊れる。

F1シートの為に存在するシリーズだが、年間1位になったからと言ってF1に上がれる訳ではない。今のところ初出走から2年内に年間優勝できればなんやかんやで昇格できている。

 

FIA F3】 FIA Formula 3 Championship

F2直下のカテゴリー。アカデミーに所属する(したい)ドライバーにとってはライバルを蹴落とす為のシリーズ。ここで勝っておけばF2で良いシートが手に入る可能性が上がる。F1のサポートレースなので各コースとレースに慣れる為に出走する意味も大きい。最近ではコレに出てないとF2で勝負にならない。

 

【FRECA】Formula Regional European Championship by Alpine(そのほか Americas / Japanese / Asia?)

FIA F3直下のカテゴリー。各国F3を統廃合し、新統一規定のワンメイクマシンで地域ごとに開催される。マシン・エンジンの双方にプライスキャップを設ける事により低価格でのエントリーが可能となった。またFormula Renaultとの統合も進んでおり、2021年からはEuropeanがFormula Renault Eurocupと合流した。各地域ごとに開催されるが、FIA上位シリーズがヨーロッパを主戦場にする事からEuropeanに出走できるのがベストの選択。なので正直なところEuropean以外のシリーズの存在意義がどの程度あるのかよく分からない。Americasはホンダの奨学金制度があり、FRシリーズからIndy Lightsに上がる選手も出てきた。冬季に行われるF3アジアも同一のマシン規定に従う。

 

北米(Indycar)

多くのドライバーは最上位ティアのIndycarを目指す。ヨーロッパに比べると規模は小さいがその分奨学金制度が多数存在する。Indyを頂点とする各シリーズでは、勝ち続ける事ができればトップティアまではとりあえず辿り着ける。そこからスターになれるかは別問題。

 

Indycar

北米のトップティア。フォーミュラ競技の規模としてはF1に次ぐ。しかしながらトップチームを経済面で見ると規模は20分の1以下。色々あって名称やシリーズそのものも二転三転したせいで人気は下降線。そもそも北米におけるモータースポーツ人気そのものも右下がり。ちなみに北米ではフォーミュラと言わずオープンホイールという。世界3大レースに数えられるお祭り Indy 500 はあまりにも有名。

近年はスペック化が進みエンジンは辛うじてマニュファクチャラーが2社存在。以前はエンジンもホンダの単独供給だった。DRSの代わりにプッシュトゥパスがあり、ボタンを押している間だけ60psパワーが上乗せされる。

2007年以前の旧チャンプカー時代のドライバーも依然として現役バリバリ。しかも強い。その他には元F1ドライバーが多数存在し、選手年齢の平均は高め。近年では直下のシリーズを強化しており、新人ドライバーの多くはIndy Lightsから昇格してくる。しかしベテランの壁が厚く短命のキャリアに終わる事が多い。

 

Indy Lights

Indycar直下のカテゴリー。参加台数も参戦費用もF2と比べると少ない。優勝すれば最大イベントのIndy 500を含む数レースへの出走と奨学金の100万ドルが進呈される。オーバルレースが存在する事がその他のセカンドティアとの大きな違い。

 

Indy pro 2000

Indy Lights直下のカテゴリー。FR車両よりは速い。RX-8用のロータリーエンジンを使っていたりした。

 

日本とその他

日本ではSuper Formulaをトップに据え、その直下にSuper Formula Lightsを置く。Lightsは旧F3マシンを流用したDallara320を使用し、Super Formulaと同様に軽量・ハイダウンフォースマシンに拘っている。同様の存在価値を見出しているのが、スペインを拠点とするEuroformula OpenとイギリスのBRDC British F3である。

 

【SF】Super Formula

旧全日本F3000の流れを汲むシリーズ。FIAF3000規格(今で言うF2)終了に伴い日本独自のトップティアに位置付けられた。現在はスペックシャシーを使用し、エンジンマニュファクチャラーはトヨタとホンダの2社。ほとんどのドライバーはこの2社に所属し、メーカー生え抜きの全日本F3(現SFL)出身者でグリッドはほぼ埋まる。

今や他では見られない軽量・ハイダウンフォースのマシンを使用する。エンジン出力はトップティアとしては控えめだが、ウェイトパワーレシオではF2を僅かに上回る。Indyと同じくプッシュトゥパスを搭載し、一時的に50ps増強するオーバーテイク機構を備えている。

 

【EFO】&【SFL】Euroformula Open & Super Formula Lights

F3がFIA F3に移行。各国F3はFormula Regionalに統廃合された。旧F3規格のマシンを流用するシリーズはヨーロッパで2つ、日本では1つ発足。その後エントリー数不足により1つが流れ、現在ではEuroformula OpenとこのSFLだけになった。FIA F3を上回るダウンフォース量と軽量のシャシーが特徴。

 

BRDC British F3

1951年から2014年まで開催されていたイギリスF3を復古する形で2016年に誕生。F4マシンを強化してF3レベルのパフォーマンスと安全性を確保している。マシンペースは旧F3マシンと遜色なく、ヘイロー世代のジュニアフォーミュラとしては超軽量である。2020年型の新型のペースはFIA-F3に匹敵するという(自称)。

 

W series

2019年に誕生した女性ドライバーのみで行われる選手権。全ての使用機材がワンメイクで行われチームすら存在しない。全てのデータが全員に共有される事から純粋な実力主義を標榜している。2021年はF1のサポートレースに組み込まれた。多くのフィーダーシリーズと違い各週末に1レースのみが行われる。マシンはFormula Regional規定。

 

終了した主要シリーズ

F1ピラミッドを一本化したいFIAの思惑により、F3クラスを中心として統廃合が実施された。吸収合併または消滅したシリーズたち。

現在のジュニアシリーズはほぼ一本化され "FIAF2 < FIAF3 < FRECA < 国内F4" と綺麗にピラミッド化されたが、2020年以前は同ティア帯でも複数のシリーズがあった。主に参戦費用が違う他、それぞれがF1チームへ向けたアピール力の点で異なる力関係を有していた。

 

旧ジュニアシリーズは大きく分けて現F2相当のセカンドティア、現FIAF3相当のサードティア、F4以下と大まかに区分けができる。

F1昇格における評価では必ずしもセカンドティア>サードティアと評価される訳ではなく、それぞれのティア帯での戦いぶりが評価されていた。よってセカンドティアを飛ばしF1へ昇格する事もしばしば発生していたが、今ではスーパーライセンス発給規定の厳格化によりセカンドティア(F2)のスキップは発生しづらくなっている。

 

ここでは旧ジュニアシリーズのアピール力の大小関係を大雑把にランク付けする。また年により各レースのレベルが異なるのであくまで指標でしかない。

 

GP2 (FIAF2) > *FR3.5 = GP3 (FIAF3) ≧ ユーロF3 > FR2.0 Euro> A1GP > AutoGP旧F2

太字はセカンドティア
*FR3.5 = Formula Renault 3.5(2005-2017), World Series by Nissan(1998-2004), Formula Renault V6 Eurocup(2003-2004)

 

GP2

国際F3000がオワコンになっていたのでバーニー・エクレストンとフラビオ・ブリアトーレが主導する形で開催にこぎ着けた。F1サポートレースとして開催する事でコースやタイヤ特性に慣れさせ、即戦力のF1ドライバーを養成する意図があった。だがマシントラブルやエンジンの製造品質が悪く、その上参戦コストがメチャ高く、そのお株をフォーミュラ・ルノー 3.5とGP3に奪われた。エクレストン・ブリアトーレが半ば追放されたのち、FIA主導でGP2への一本化が画策されFIAF2に移行しその役割を終えた。

 

 

【FR3.5】Formula Renault 3.5, Formula 3.5 V8

ワールドシリーズ・バイ・ニッサン時代から20年以上にわたり行われたシリーズ。GP2相当のマシンを使用し、参戦費用がGP2よりも安かった事で多数の有力ドライバーが出走した。直近ではマックス・フェルスタッペンダニエル・リカルドがこのシリーズを経由。カテゴリーをGP2に纏めたいFIAの思惑でスーパーライセンスポイントで冷遇され、事実上同シリーズからのライセンス取得が不可能になった。これを機にエントリー数が激減し、2017年を最後に消滅した。

 

GP3

GP2直下のカテゴリーとして2010年に誕生。F3相当のマシンと言われるがその実はエンジン出力が増強されたF2.5とも言える車両を使用していた。GP2同様にシリーズの統合が行われ、F2誕生の1年後にFIAF3が創設されGPシリーズの移行が完了した。

 

 【F3Euro】FIA Formula 3 European Championship

またはFormula 3 Euro Series。2003年から開催され、2012年からはFIAの名の元にF1への経由地としての役割を担った。多数のF1ドライバーを輩出したのち、2018年を最後にFIAF3となるGP3と合併する形で消滅した。FIAF3マシンが旧GP3規定に近い新シャシーとなった事でF3ユーロ運営団体が反発。旧マシンを新F3グレードにアップデートした独自のシリーズを発表したがエントリーが集まらず失敗した。名残はEFOに残る。

 

【FR2.0Euro】Formula Renault Eurocup, Eurocup Formula Renault 2.0

その他の名称はEurocup Formula Renault 2.0/2000, Formula Renault Eurocup。各地域で開催されているフォーミュラ・ルノーシリーズのうちの一つであり、F3エントリー相当の独自のマシンとエンジンでヨーロッパを中心に開催されていたが、Formula Regionalが創設されると統合される方向となった。まずは最大規模のEurocupがFRECと合流し、FREC by Alpineとその名にルノーの要素を残している。

 

A1GP

各国毎のドライバーがナショナルチームを結成しタイトルを争った。主にセカンドティア相当のフォーミュラマシンを用いてシーズンオフの冬季に開催された。ジュニアフォーミュラとは毛色が異なる。

 

AutoGP

フェリペ・マッサを輩出したEuro F3000 Championshipが元となったシリーズ。2010年に設立され、一時期はスーパーライセンスポイントの対象シリーズであった。

初期の車両には国際F3000の中古マシンが用いられ、A1GPが開催されていた期間からはA1GP車両も使用が許可されていた。これにより参戦コストがGP2の半分以下に抑えられていたが、2015年にスーパーライセンスのポイント対象外となった事でエントリーが激減。2015, 2016年シーズンはほぼ全てのレースを開催できず、BOSS GPに吸収される形で消滅した。

 

【旧F2】FIA F2(2009-2012)

当時のセカンドティアにて有力シリーズであったGP2とFR3.5のコスト高騰に対抗し設立された。F3以下のコストでエントリーできる事が魅力であったが、競技レベルに疑問符が付いた事、死亡事故が発生した事でF1ドライバーを輩出する事なく幕を下ろしている。 

 

 

F4シリーズ(おまけ)

F3未満のF4シリーズはナショナルレベルで開催されている。元F1ドライバーゲルハルト・ベルガーの肝いりで導入された。年間予算を含めたプライスキャップが存在し、フォーミュラレースとしては安価でエントリー可能である。

イタリアF4とADAC F4(ドイツF4)の2つに関しては同一のシャシー・タイヤを使用する事から掛け持ちを行う選手も多く、国別枠を越えた国際F4の様相を呈している。またUAE F4は冬季開催である事から前哨戦として出走する各国選手が多く、ナショナル枠を超えた雰囲気をこちらも醸している。ヨーロッパのF4ではF1ピラミッドの最下層という役割が強めだが、アメリカはIndyIMSA等のレース、日本はSFやSuperGTなど、F1というよりは各国4輪レースのエントリーシリーズとしての役割を見出している。

純粋なF1ピラミッドとしての勢力図は以下のイメージ。異論は認める。

イタリアF4 ≧ ADAC F4 > イギリスF4 = フランスF4 > スペインF4 = アメリカF4 = 日本F4 ≧ UAE F4 ≧ デンマークF4 >>その他