GP遅報

F2遅報 'Road to F1'

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ART編 2021年シーズン F2プレビュー その5

Formula Scout に2021年シーズンのプレビューが掲載された。この記事を引用し、各チームごとの2021年の展望を見ていきたい。第5回目は強豪のART GP。ルイス・ハミルトンも所属し、GP2時代から圧倒的な強さを維持してきた。しかし昨年はまさかの低迷。今年は強力なドライバーをグリッド上に並べ、返り咲く機会を狙う。

formulascout.com

 

ART Grand Prix

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Twitter:@lundgaardoff

「近年がそうだったように、2020年のARTも1名のドライバーが活躍する一方、もう1名はそうならなかった。それも変化する事になるだろう。F1チームと提携する10代のドライバーがシートを予約済みだからだ。一貫した成績を保つのに非常に苦労した2020年、だがその中でも勝利を獲得し、目立った成績を残したドライバーは残る事となっている。かつてF2を支配したチームは、このアルピーヌジュニアと、2020年の注目を一身に浴びるドライバーと共に、支配的な地位を取り戻す事になりそうだ」

 

2005年のGP2からARTを経由したF1ドライバーは実に15名。このチームは常に好成績を残し、ドライバーをバックアップしてきた。チーム創設者のフレデリック・ヴァスールは、現在ではアルファロメオF1の代表を務る。その前はルノーF1の代表であり、この流れからARTはルノーとの繋がりが深い。また共同創設者はニコラス・トッドだ。彼はFIA会長で前フェラーリF1代表のジャン・トッドの子息であり、シャルル・ルクレールのマネージャーでもある。

FDAに所属するアームストロングは、ジュール・ビアンキ以来のFDAドライバーとしてARTに加入。しかしニコラス・トッドは同年の初めにはARTとの関係に終止符を打った。この影響もあってか、オーストリアを除けばアームストロングはチーム内での競争に苦戦し低迷する事となる。近年ではこれと同様に、このチームでは一方のドライバーのみが活躍するシーンをよく目にする。

今季は大注目のプルシェールが加入し、昨年の実質的な1stドライバーであるルンガーとの競争に関心が集まっている。プルシェールはザウバージュニアであり、ルンガーよりもよりヴァスールに近い。今季は一体どちらが優遇件を勝ち取るのか。しかし双方非常に有望なドライバーであり、チーム内で序列を決めるような常套手段が再び発生しない事を切に願う。

9. Christian Lundgaard(クリスチャン・ルンガー)

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Twitter:@ARTGP

Denmark, 19
2020: 7th in F2

「2020年、アルパインジュニアのルンガーは、プレシーズンテストを欠席したにも関わらず傑出していた。2年目の今季はその更に上を目指す事になるだろう。今年のプレシーズンではテスト全体を通してのファステストラップを記録している。しかしながらロングランのペースには疑問符が依然として残る。時折、ルーキーとしては素晴らしい速さを発揮。その時に限って言えば誰も打ち負かせない程であった。2021年のタイトルを脅かす存在になりたければ、その勢いを持続させる必要がある。ARTに複数年所属するドライバーは、2015~2017シーズンに所属した松下信治以来である。この経験を活かし、評価の高いチームメイトより優位に立つ事が目標となってくる」

 

シングルシーター初年度えロシアとスペインの両方のF4シリーズを制覇。2年目の2018年にはFormula Renault Eurocupで総合2位に入り、能力の高さを見せつけている。有望株が多かった2019年のFIA F3ではシリーズ6位に入り、18歳にしてF2までステップアップを果たした。F2ルーキーイヤーの2020年は、第2ラウンドのスプリントレースで早々にトップチェッカーを経験する。その後も連続で表彰台に上がるなど、F1まで最短距離で突き進むと思われた。しかしその後は好不調の波が激しく苦戦。そして今年初めて複数年連続で、同ティア帯のレース出場を経験する事となった。しかし彼はまだ19歳である。同じくアルピーヌジュニアの周がライバルであるが、彼の成績に関わらず、今年はシーズンを通してタイトル争いに絡む事が重要となってくる。

10. Theo Pourchaire(セオ・プルシェール)

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Twitter:@ARTGP

France, 17
2020: 26th in F2, 2nd in FIA F3

ザウバージュニアのプルシェールは、昨年のFIA F3でセンセーショナルな活躍をしていた。見ていて本当に楽しかった。彼はグリッド上に並ぶ最も若いドライバーとなる。しかし、それは彼に競争力がない事と同義語ではない。プルシェールはかなりの才能があるのだ。しかしながら、彼はARTのルーキーが陥いり、苦しめられてきた罠を回避しなければならない。この若き星にいきなりタイトル争いを求める事は酷かもしれないが、彼を完全に除外する事は愚かな行為と言える。彼のパフォーマンスが早々に並外れていた場合、2022年のアルファロメオのドライバーに立候補する事になるだろう」

 

ルンガーの経歴も見事であるが、こちらは更にそれを上回っているかもしれない。シングルシーター初年度はフランスF4のジュニア部門で圧勝。2年目の2018年はハウガー、アーサー・ルクレール、ペテコフといった、次世代のトップジュニア達を退け、ドイツF4で勝利を収めた。そしてFormula Regional を経由せずに、いきなりFIA F3にARTから参戦する。そして第2ラウンドのスプリントレースで優勝すると、車体性能で勝るプレマを相手に互角以上の戦いを繰り広げ、最終レースまでピアストリのタイトルを阻み続けた。そして僅か17歳にしてF1直下のF2までたどり着いたのである。

彼の短すぎるキャリアから読み取れる事は少なく、可能性はまだまだ未知数である。しかしながら昨年HWA RacelabからF2に2ラウンド出場。テスト制限が厳しかった今季においては、他のルーキー達よりもかなりのアドバンテージを有していると思われる。彼がF2でも活躍する場面を想像せずにはいられない。