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ハイテック編 2021年シーズン F2プレビュー その4

Formula Scout に2021年シーズンのプレビューが掲載された。この記事を引用し、各チームごとの2021年の展望を見ていきたい。第4回目はニキータ・マゼピンが所属したハイテック。今年もウラルカリとのパートナーシップを維持しており、チームとしてもさらなる成長を遂げる事は確実だろう。

formulascout.com

 

 

Hitech GP(ハイテック)

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Twitter:@HitechGP

「F2における一番新しいチームは、昨年ニキータ・マゼピンと経験豊富なルカ・ギオットを擁して光り輝く初年度の大会を完遂した。毎回ほかのチームの勝利を脅かすほどの存在感はなかったものの、時折タイヤ管理に関しては他のチームが相手にならない程の違いを披露した。そして大幅なカレンダーの変更と昨年の経験は、フィーチャーレースとスプリントレース両方で好成績を奪って見せたチームにとって利益となるはずだ。プレシーズンテストで際立っていたチームの一つでもあり、双方のドライバーが1ラップ/ロングランどちらのペースも発揮する事ができていた」

 

昨季からF2に参入した新興チームのハイテックは、これまで各カテゴリーで確かな成績を残してきた。F2もそれに漏れず初年度から複数回の優勝を達成した。2020年のチームランキング4位はサプライズと呼べるだろう。同チームから選手権5位に入ったニキータ・マゼピンはスーパーライセンスを確保。ハースF1への道を切り拓いた。

ニキータの父親であるドミトリー・マゼピンが所有する企業のウラルカリはハイテックのタイトルパートナーでもある。このパートナーシップはニキータがF1に昇格した今後も継続される模様で、今季もハイテックの車体には同系列の文字が大きく張り付けられた。

 

またハイテックのオーナーであるオリバー・オークスは元RBJrでありレッドブルとの繋がりが深く、昨年はFIA F3でローソンとハウガーの2名のRBJrがハイテックから出走している。ローソンはそのままF2でもハイテックから出走する事となり、そのチームメイトは同じくRBJrのヴィップスが務める。よってカーナンバー 7と8は再びレッドブルカラーのマシンとなった。またFIA F3ではRBjrとホンダドリームプロジェクトを担う岩佐歩夢が出走し、スタネクを除けばF2もF3もレッドブル一色である。

 

F2のプレシーズンテストでは、1ラップのタイム、ロングランペース共に申し分なく、安定して上位のタイムを刻んでいた。昨年と変わらず今季もマシンのパフォーマンスは上々のようである。車は問題ない、ではドライバーマネジメントはどうだろうか?

昨年とは打って変わり新人2名をリストアップした今季、時折マゼピンを制御できず多くのペナルティでポイントを失った昨季の失態は繰り返せない。

7. Liam Lawson(リアム・ローソン)

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Twitter:@HitechGP

New Zealand, 19
2020: 5th in FIA F3, 2nd in Toyota Racing Series

「素早いキィウィ(ニュージーランド人の愛称)は、F2へステップアップする理由の正当化に成功した。そして2021年もFIA F3と同じカラーリングに身を包み戦う。レッドブルからの期待を背負い、最高に速く攻撃的で、F2においても自身の速さを主張する機会を狙うだろう。昨年のFIA F3での彼は、不運続きだったにも関わらず、傑出したドライバーの1人だった。そして同じくハイテックから出走する今年は、そのアドバンテージを有しているはずだ。ローソンはタイトル争いにおけるダークホースと言えるだろう。もしかすると2021年においては最も期待の少ないレッドブルジュニアかもしれない」

 

ニュージーランドで実力を育んだ後、2018年にヨーロッパに渡りドイツF4でシーズン2位を獲得。同年にはまだ夏季開催されていたF3アジアのセパンでの3レースに出走した。そして、なんとその全レースで優勝している。その直後に地元で開催されたTRSでは、同郷のマーカス・アームストロング、そして並み居る強豪を倒してこれまた優勝。

この流れで期待が膨らんだ2019年、角田裕毅と共にFIA F3にレッドブルカラーで出走した。しかしここでは角田が残した印象を上書きするまでには至らなかった。一方で重複出場したEFOでは4レース欠場したものの、佐藤万璃音に次ぐシリーズ2位を獲得し、こちらでは角田を上回ってみせた。

2020年は引き続きFIA F3に出場。レッドブルがパートナーシップを締結したハイテックからの出走だった。幾度かの不運に見舞われたものの、フィーチャーレース1勝を含む3勝、6回の表彰台を獲得しF2昇格をつかみ取った。前述の通り初めてのF3(FR相当)マシンでもすぐに結果を残しており、ハイダウンフォースマシンへの順応性が高い事が窺える。昨年の角田がそうだったように、F2初年度となる本年においても彼がタイトルを争う可能性を除外すべきではない。

8. Juri Vips(ユーリ・ヴィップス)

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Twitter:@HitechGP

Estonia, 20
2020: 16th in F2, 8th in Formula Regional European Championship

「ヴィップスの2020年の記録は全くもって彼が持っている才能と可能性を反映したものではない。彼のレースプランはCOVID-19によってひどく妨げられてしまった。そしてFRECで得られた結果は、その時は、チームに競争力がなかったためである。その後彼はDAMSからF2の舞台へ招集がかかった。数ラウンドだけの出走だったが、ムジェロでは力強い走りで表彰台を獲得した。初めてのフルシーズン参戦となる今季は、彼への期待感はかなり高い。F1への切符に必須となる総合4位以内を目指す前に、レッドブルジュニアの1番手であると主張する機会を得る事が、彼の直近の目標になるだろう」

 

2018年の旧ヨーロッパF3では、シューマッハやティクタム、シュワルツマンと、近年好成績を残している選手達を相手に大接戦の末4位を獲得。2019年のFIA F3では2位に僅差の4位に入賞している。同時期からのライバルは前述の3名に加え、アームストロング、周、ダルバラ、佐藤と1年のアドバンテージを有する選手達と再び相まみえる。

2020年はスーパーフォーミュラに出場予定だったが、パンデミックによりそれは叶わなかった。しかしながら負傷したゲラエルの代役として、DAMSから4ラウンドをF2にて出走。シーズン中盤からの参加だったにも関わらず、苦戦するDAMSのマシンで3位表彰台を獲得して見せた。このようにF2においてもそのポテンシャルは証明済みである。プレシーズンテストの制限が厳しかった今季においては特に、このスポット参戦の経験が貴重な資産となるだろう。

4位に入った2019年のFIA F3からは実に13名がF2へとステップアップを果たし、1名が既にF1への切符を手にした。非常に競争の激しい年だったと言えるだろう。この13名の中からもう一人F1ドライバーを選ぶのであれば、シュワルツマンの次点を争う集団の中に彼は位置している。